Fitzgeraldの日常

通訳案内士資格保有の貿易業の日常を書き綴っております。

最後の晩餐

  楽しかった香港も実質的には本日が最終日。香港に行ったらどうしても行きたいレストランがあった。そのレストランは、わざわざ食べるために専用のフェリーに乗ってレストランに行かなければならない。めんどくさいことこの上ないが、それでも新鮮な海鮮料理をお手頃な価格で提供されているのだから、仕方が無い。

  そのレストランには、ホテルでダラダラしていた朝に電話にて予約を入れた。先方のリクエストは6時に上環のフェリーターミナルに迎えにいくので、そこで待機しておいてくれ、ということであった。
あっさりと予約が取れたので、本当に迎えに来てくれるのか心配であったが、時間になると小さなフェリーと、どこからもなくレストランに向かう人が集まってきた。
途中、それは意図しなかったことであるが、間違って途中下車をしてしまい思わぬ夜景を見ることができた。
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フェリーを降りしばらくしてから自分たちが間違って途中下車をしてしまった事に気づくのだが、とりあえずはレストランに電話をして、予約時間をずらしてもらうことで決着。美しい夜景を思う存分楽しむ事が出来た。
  目的地はラマ島。この香港の離島にある島に目的のレストランがある。夜になると少し肌寒いが、波の音を聞きながら、野外で新鮮な海鮮を自分好みの味付けで楽しむ事ができる。もちろん普通話か英語が出来る事が前提ではあるが、生簀から自分が食べたい食材を選び、味付けを指定する。
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とりあえずは、大型のエビを山椒風味の炒めものにしてもらう。そしてアサリは豆鼓で炒めてもらった。あとは海鮮炒飯とブロッコリーのニンニク炒めを注文。
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うまい。プリプリしたエビの身がスパイシーなソースとよく馴染んでいて食欲が進む。箸やフォークなどはもう不要。手で大胆に皮を剥き、食らいつく。レストランも心得たもので、ちゃんと人肌に温められた烏龍茶を出してくれ、それで汚れた手を洗う。
そのあとはアサリ。適度な塩分が、これまた食欲を刺激させ、止らなくなる。
  いい感じで腹は膨れてきたが、それでもエビの味が忘れられない。もう少し食べようということになって、今度はバター炒めで注文。
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こちらもうまい。先ほどとは違って洋風の味付けだが、プリプリしたエビとバターの香りが食欲を誘う。フェリーでの移動は面倒ではあるが、大満足であった。
 
そして最後に、昨日お世話になったマッサージ店に再度訪問。「明日もきてね〜」って言われたのも行く一因ではあるが、それよりもむしろ昨日の彼女のホスピタリティーに心底感心したからである。おそらく彼女も、僕たち同様腹が減っていたはずだ。それなのに自分を優先せずにまずは僕たちに食べろ、と勧めてくれた。そして自分は僕たちが食べた後に、遠慮がちに自分の皿に取る。もちろん支払いを僕たちがするという前提だから当たり前だ、と思えるかもしれない。だけれども、自分にはどうしてもそうは思えない親切を彼女から感じたのだ。帰国する前に、どうしても再度彼女の店で足裏マッサージを受けよう、それが彼女に対するささやかなお礼だとも思えた。
全身マッサージと足裏マッサージを受け、彼女と「また年末に」とジョークを交わして店を辞す。
 
明日の朝は7時30分には空港に到着したい。一刻も早くホテルに帰りたいので、ここからホテルまでの大体のタクシー代金を聞くと、彼女はおおよそのタクシー代金だけではなく、親切にもわざわざ店の外でタクシーを捕まえ、目的地と最短で行くようにドライバーと交渉までしてくれた。