Fitzgeraldの日常

通訳案内士資格保有の貿易業の日常を書き綴っております。

プレゼント

言葉が通じず、さらに土地勘の全く無い場所で友人に助けられる事ほど心強いものはない。

先日、といっても結構前の話で有るのだが、スペインに行く機会があった。スペインといえば初代の「太陽の沈まぬ国」として、一時代を風靡した帝国である。無敵を誇った艦隊は、エリザベス一世の時代にイギリスに負けるまで輝かしい戦歴を誇り、ヨーロッパの大国として君臨していた。それ故、スペインを代表する美術館、プラド美術館にはベラスケス・ゴヤに代表される至宝が保管されているのである。

ただ問題なのは言葉。アジアであればどの地域でも通じる自信はあるのだが、どうしてもヨーロッパ、とりわけイタリア・フランスは苦手。というか、フランスなどという国は大嫌いなのが本音ではある。

今回重い腰を上げたのは、スペインに友人がおり、その友人が案内をしてくれるというからであった。その友人の気の利いた案内のおかげで、充実した滞在期間を送れたし、誕生日には素敵なプレゼントもEMSで届いた。

ずっとずっとそのお礼をしなければ、と考えていたのだが、ようやく本日EMSで送ることにした。何を送ろうか、何が良いのか、ずっと考えていたのだが、最終的に「今治タオル」にした。やはりあの吸水力と柔らかさ、そして手触りの優しさこそ、日本の精緻な「ものづくり」を体現していると考えたからである。そしてもう一つ。シャワーの時に使う少し荒目のタオルも購入し、セットにして送ることにした。自分用にも購入したが、和紙を折り込んでいるという、そのゴワゴワした感触がまた気持ち良かった。

そして礼状。スペイン語は出来ないので英語で書いたが、「和」をイメージできるレターセットをわざわざLoftで購入して書いてみた。

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そこで気づいたのだが、滅多に立ち寄らないLoftのレターコーナー。種類が豊富で非常に驚いた。そんなにスペースを割くほどに「手書き」の文化が復興しているのだろうか。考えてみれば、手紙を書くという行為、それ自体は廃れてしまっていると思える。少なくとも文通や交換日記という「文化」は最近は聞かない。その点では廃れたといってよい。しかしながら、今まで電話で済ましていたものがメールやメッセージといったものに替わり、さらにはブログといった形式が出現し、それは「活字文化」の復権であるともとらえられる。文字を書く、その行為自体が、人間の重要な営みの一つであるからこそ、あたらしい形式の出現と既存の形式の並立、さらにはお互いが影響し合って発展していっているのだと、熟々Loftの売場をみて感じたのである。