Fitzgeraldの日常

通訳案内士資格保有の貿易業の日常を書き綴っております。

昨日、上野で

昭和歌謡の曲名ではない。

昨日何の目的もなく上野をぶらついた。やはり上野は面白い。ネットショップが主流となって、大規模ショッピングモールに店が集約されつつある昨今、そういう潮流に無視にされた(あえて来迎しない)ジャンルのショップがこの周辺に集まっており、非常にディープなのだ。チェーンストア化するということは、究極的には「目的買い」に繋がって行く。商品の回転数と売れ行き、只その点だけを突き詰めて行く方法は非常に「合理的」ではある。ただ行き過ぎていくと、無駄遣い、衝動買いという事が無くなってしまい、本当は楽しい買い物が無味乾燥したものになってしまうのだ。昨今の消費者購買力の低下は、消費税増税ということも多いが、それだけではなくショップ側の運営方法の問題でもあるのだ。

さて、話はそれたので戻る。

上野のビレバンを何の目的もなく覗いた。月1位で行くビレバンで非常に秀逸だと感じるのは、その取り扱い量は多くないのに、テーマごとに選択された書籍のタイトルである。このビレバンという会社の書籍担当者は非常に優秀だと思うのだ。必要な本をすぐに欲しければAmazon、実店舗ではジュンク堂に行けば揃う。そうではなく、何の目的もなく本を読もうと感じたとき、ビレバンに行けば非常に魅力的なテーマで本を紹介してくれる。

本日は、なにげに入ったビレバンで30分の間に7000円近くの書籍を購入。

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この『世界で一番美しい人体図鑑』、もう店頭で見て一目惚れ。自分は昔から自宅に理科教室にある様な人体模型を欲しいと思っていたのだが、さすがにあんなもの自宅に有れば気持ち悪いし、そもそも使用方法がない。だけれども、人体という精緻な生命体をじっくりと知りたいという欲求は年々高まるばかりである。心臓・肝臓などの美しく色づけされた図に時間を忘れるほど見入ってしまった。

そして、『琳派』。

もともと私が美術に興味を持ったのは、尾形光琳俵屋宗達に代表される琳派の造形物である。紆余曲折があり現在は全く関係がないが、それでも桃山文化がやがて京の裕福層によって王朝文化の復興という「琳派」の流れに繋がって行く運動と、西洋によって受け入れられていく史的過程に興味がある。もう一度、琳派というどこまでもゴージャスで、どこまでも日本人の想像力をかき立てる美術品を鑑賞したいと思ったのである。