Fitzgeraldの日常

通訳案内士資格保有の貿易業の日常を書き綴っております。

Japanese Foods in Shanghai

  仙台から上海に戻る。楽しい時間は本当に瞬きをしているがごとく過ぎ去り、また上海での日々が続くと思うとなかなか気が滅入る。往路は新千歳トランジットという無茶なルートではあったが、復路は福岡トランジット。まだ上海に近づいていると思うと嬉しい。福岡空港で明太子を購入して国際線に移動した。

  飛行機を降りれば、そこは上海だった。街に出るまでもなく、人々が発する声と喧騒が上海なのだ。14時からずっと移動している身なので、正直身体は疲れていた。それでも仙台に行ってきたという興奮が身体を奮い立たせる。本当は一刻も早くベッドの中に潜り込みたいほど疲れているのに、全然そんな気分にもならないし、睡魔も襲ってこない。
  22時の上海の街を一人歩いていると、一際明るく照らされた建物があった。それはペニンシュラホテル。この上海を代表するラグジュアリーなホテルには懐かしい思い出がある。
  まだ自分が23歳だった頃、ちょうど上海に留学をしており、そこで一人の恋人ができた。その恋人は地方都市出身でなかなか中国語が通じにくかったが、何故だか二人ウマがあった。毎日話していても飽きない。ずっと一緒にいても話す話題が尽きないのだ。その恋人とよくいたのが、このペニンシュラホテルにあるスタバと、カフェ。カフェのバナナポートを二人でつつきながら数時間会話するのが本当に楽しかった。
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  そんな思い出を思い出しながら、友人に電話をした。まだまだ全然眠たくもならないし、道を歩いていたら急に腹が減ってきたのだ。デブの鉄則は深夜に高カロリーを摂取するが、ここでもデブの鉄則を前回にして友人と食事をすることにしたのである。
  日本にいる時は、和食など滅多に食べないのに、海外に滞在していると何故にこんなにも和食が食べたくなるのだろう。価格が高いだけで品質も悪いのに無性に食べたくなる。そんなこんなで、和食店に入った。
 まずは喉が渇いていたので、コーラを注文する。やはり食事にはコーラである。炭酸のシュワシュワが乾燥した喉を潤してくれる。その感に運ばれてきたのは、筍の煮物。
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  ちゃんとダシの味がして筍にも火が通っている。かといって付け合わせのワカメもに過ぎてはおらず、美味かった。この味の筍を出す店であれば、そこそこ料理に期待できるのでは無いか・・・。
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  次に出てきたのは刺身の盛り合わせ。こちらは薄すぎる。薄く切りすぎているために、スーパーのおつとめ品を食べた様な食感。まるで歯ごたえがない。そんな中で、一番新鮮だと思われるわさびだけが、まるで今すりおろしたかの様な刺激を放っていた。
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  刺身の時点で、煮物の時に感じていた期待が、自分の浅はかな考えであると気づく。続いて出てきたカニも身が少なくて、身をほぐすのに時間がかかり、途中で面倒になってやめてしまった。これだったら缶詰を買って食べた方がまだマシである。
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  極め付けが、すき焼き。写真ではわからないが、すき焼きであるのに、焼肉様だと見間違えるほどの厚さ。鍋に入れるまでもなく、完成したすき焼きはまずいものになるだろうと想像がつく。
  案の定、火を通したすき焼きの肉は非常に硬く、さらに分厚い肉はとうていすき焼きとは思えなかった。そんな、おそらく一生出会えない様なすき焼きを食べた後のうどんは、煮詰まった割下とよく絡まって非常に美味しかった。
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  上海の夜、それは日本で食べる和食がすごく美味しいものであることを再認識した夜なのだ。