Fitzgeraldの日常

通訳案内士資格保有の貿易業の日常を書き綴っております。

Dye me in your hue.

私をあなた色に染めて

  好きになったらその全てを相手に合わせたくなる。ただ、全てを合わせるのではなく、小物や何気ないものを無性にお揃いにしたくなるのだ。言うなれば、それが私の「恋の病」なのである。

  さて話は変わるが、先日お刺身のうまい店に行って来た。しつこい様であるが上海滞在中の身。自他ともに認める中華料理好きである私も、流石に飽きてきた。というよりかは、中華料理の写真を見るだけでも胃液が大量に出され、我が身体は、これから大量に送り込まれてくるだろう中華料理の数々を消化する準備を進める。

  中華料理、もとい脂っぽい料理を見るだけでも胃が痛くなる。そんな自分の身体的現状もあって、最近はあっさりな料理を好んで食べている。

  渋谷にうまい刺身を出す店はあるだろうか。色々探し回ったところ、「漁」という店や「漁十八番」という店が、何やら質のいい刺身を手軽な価格で出している様なのだ。ただ、口コミを見る限り、結構な待ち時間、予約なしでは入れない、との事だったので、当日に同行する某S氏に予約を依頼した。

  予約が取れた店は「漁」の方。席が28席程しかなく、なかなかこじんまりとした店ではある。渋谷駅の、それもキャバクラやガールズバーが乱立している路地を、キャッチをかわしながら目的の場所まで足を進めた。

  店の外観は、モダン和風。隠れ家的なバーだと言われても信じてしまう程、和食店っぽくはなかった。ただ唯一、外に立てかけられているメニューだけが海鮮料理を得意とした店だということを主張していた。

  店内は、テーブル席が4つと、大きなカウンター席。間口は狭いが、奥行きは結構あり、その縦長のフロアを店員は忙しく歩き回っていた。

f:id:fitzgerald_jp:20160320190104j:plain
 
  私たちが通されたのは、カウンター席の隅。カウンター席は隣の会話が聞こえるので、やはりあまり好きではない。ただこの店は、外の喧騒からは無縁で、そして大声で会話している学生や下品なおばさんもおらず、非常に落ち着いていた。
f:id:fitzgerald_jp:20160320190105j:plain
まずは白子ポン酢を注文。女性器を見るだけで、吐き気を模様す私でも、白子は大好きだ。あの滑らかで、濃厚な旨味は癖になる。それを天ぷらや焼きではなく、茹でてポン酢をつけるのがとりわけ好きだ。ポン酢の程よい酸味が白子の濃厚な旨味と絡まりあい絶妙であった。
f:id:fitzgerald_jp:20160320190435j:plain
出し巻き卵もうまい。私は砂糖を入れる卵焼きは許せないのだが、ここの出し巻き卵はきちんとだしが効いていて、食感もフワフワ、唯一許せないのは、中に菜の花が入っていた事。これは全くもって不要だと思った。
f:id:fitzgerald_jp:20160320190703j:plain
その後は、メインの刺身。少し厚く切られた刺身は、新鮮な証拠。かみごたえが適度にあって、噛めば噛む程に魚の脂が口に広がっていく。熱い白米があれば、それだけで3杯ぐらいは食べられそうな程うまかった。そして豊富な種類が、最後まで飽きさせなかった。
f:id:fitzgerald_jp:20160320190956j:plain
銀ムツの西京焼き。銀ムツは西京焼きに限る。それは比較的淡白だが脂っぽい銀ムツと味噌がすごくマッチしており、身は柔らかくてうまかった。
f:id:fitzgerald_jp:20160320191217j:plain
そのあとは、穴子の天ぷらを食べる。私は穴子が大好き。特に穴子は天ぷらがいい。サクサクした中に肉厚な穴子がちゃんと自分を主張していていくらでも食い続けられる。
結構な量をすでに食べている。この時点で腹ははち切れんばかり。写真には載せていない料理を既に数点食べているのだ。もう少しの余裕もないぐらいに腹はいっぱいであった。それでも、うまいものは食べたい。
f:id:fitzgerald_jp:20160320191526j:plain
最後に、こぼれ寿司を食べて、本日の夕食を終えることにした。帰る時に、知り合った時にはスマートだった某S氏が、2ヶ月程で「豊満な」体になっているのに気づく。食後はその肥り具合に胃下垂かとも思えるぐらいである。私はまた一人「私色に染めた」のである。
 
同行者;某S氏